動物、植物そして菌類のメラニン

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動物、特に皮膚を扱ってきた人と植物、菌類を扱ってきたと人で、メラニンと聞いてもイメージが異なるのではないでしょうか。皮膚メラノサイトのオルガネラ内にあるメラニン色素は、動物の体色に関係し、過剰な光線の吸収にも役立つ。ユーメラニン(eumelanin)及びフェオメラニン(pheomelanin)と呼ばれ、前者は窒素を含み、後者はさらに硫黄を含んだ重合体です。

大分以前!になりますが、青いバラがニュースになりましたね。遺伝子組換えにより青色のデルフィニジン合成遺伝子を導入して創生された「青いカーネーション」、そして「青いバラ」です。ですが、花には「黒い花」も「白い花」も無いのだそうです。いずれも黒っぽい、又は白っぽい(透明な水のはずの滝がそう見えるように)だけなのだと。植物の種子や果皮に含まれる、黒っぽいあるいは茶褐色の色素は、主にカテコールを前駆体とするカテコールメラニン[又はジヒドロキシナフタレン(DHN)メラニン]と呼ばれ、窒素を含まない重合体のメラニンです。

植物や果実が病気になったとき、黒変又は褐変するのを見たことがあると思います。その原因の一つに糸状菌の作るメラニン(付着器のメラニン化)があります。りんご黒星病菌、イネいもち病菌、ウリ類炭疽病菌いずれもこの糸状菌の仲間で、1,8-DHNからメラニンが生成されるとされています。

同じメラニンと呼ばれても、それぞれの生合成に関与する酵素も異なることから、阻害剤の作用点も種類も異なることになります。

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